【よくみられるケース】
- 急な予定変更があると、不安が高まりパニックになってしまう
- 大きな声で注意されたことがきっかけでパニックになる
- 肩をポンとたたかれたことが原因でパニックになる
【解説】不安や刺激が急に高まり、行動が制御しづらくなる
自閉スペクトラム症の特性がある人では、ささいなことで不安になりやすく、その不安や緊張が大きくなりすぎると、大声を上げたり、その場から走り去ったり、ときには自傷行為に至ったりといったパニック状態になることがあります。
原因は本人もある程度自覚していることが多いと考えられます。パニックになりやすい要因として「急な変更」「突然大きな声をかけられる」「自分で決めたルールを曲げなければならなくなる」などが挙げられます。
こうした予測できない状況に対する不安は、周囲が受け止めてあげて、不安を煽らないように配慮することが求められます。
【改善方法】
◆変更がある時は、早めに知らせる(周囲のサポート)
- 予定が変わった時は、できるだけ早く本人にそのことを知らせる
- 口頭だけでは理解しにくいことがあるので、メモを一緒に渡す
- 変更内容が複雑な場合は「変更前→変更後」の違いがわかるように書く
- 「何が変わる/いつから/次に何をする」を3点セットで伝える
◆独特の感覚があることを職場に周知させる(周囲のサポート)
- 独特の感覚異常(過敏や鈍麻)がないか、前もって本人に確認しておく
- 特性があれば職場内に周知し、協力を求める
- 例:蛍光灯がまぶしい→遮光レンズメガネ、席替え
- 例:エアコンの音が耳障り→ノイズキャンセリングイヤホン
- 例:制服の肌触りが不快→下に薄手の長袖肌着を着用
- 例:同僚の柔軟剤や化粧品の匂いががまんできない→マスクにお気に入りのアロマオイルを染み込ませる
◆パニックが起きた時の対応を「型」にする(周囲のサポート)
- 大きな声で叱らない、追い詰める言い方をしない(刺激を増やさない)
- 短い言葉で伝える(例:「大丈夫」「ここで休もう」「一旦離れよう」)
- 周囲を離してスペースを確保する(人が集まると悪化しやすい)
- 触れない・急に近づかない(肩をたたくなどが引き金になり得るため)
- 安全確保を最優先にし、落ち着くまで待つ
◆パニックを減らすための「予防の設計」(周囲のサポート)
- 予定を見える化する(今日の流れ、締切、次の予定を一覧にする)
- 急な変更が避けられない場合は「変更の理由」「代替案」「次の一手」をセットで提示する
- 注意・指摘は人前で大声で行わず、静かな場所で短く伝える
- タスクは小分けにし、「ここまでできたら報告」の中間地点を作る
◆本人ができる工夫(準備しておくとラクになる)
- パニックの前兆(息が浅い、胸が苦しい、頭が真っ白等)を自分で言語化しておく
- 前兆が出たら「離席する」「水を飲む」「静かな場所へ移動する」など、固定の行動を決める
- 「少し落ち着く時間が必要です」など短い定型文を用意しておく
- 変更が苦手な場合は「変更点を紙でください」と頼むルールにする
◆事後のフォロー(再発を減らすための振り返り)
- 落ち着いてから、何が引き金だったかを短く確認する(責めない)
- 次回は「何を先に伝えると良いか」「どんな環境だと落ち着けるか」を決める
- 対応がうまくいった点も残して、次に再利用する

