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鍼灸施術例

パニック発作(動悸・息苦しさ・過呼吸)の施術例

パニック発作(動悸・息苦しさ・過呼吸)の施術例40代 男性 福津市

来院までの経緯

数カ月前から、強い不安感に加えて、動悸、息苦しさ、みぞおちの不快感、下痢が続くようになりました。

症状が悪化すると体がそわそわして落ち着かず、夜中に外へ出て歩き回ることもありました。情緒も不安定になり、周囲の何気ない言葉に涙が出てしまうこともありました。

不安がピークに達すると過呼吸を起こし、救急車で病院に運ばれたこともありました。検査では異常が見つからず、医師からは「パニック障害」と診断されました。

当時、仕事が多忙で、常に強いストレスを抱えていました。遠方への出張が続き、月に数日しか自宅に帰れない生活が続いていました。さらに近い将来、社長を引き継ぐことが決まっており、「売上を伸ばさなければならない」というプレッシャーが重くのしかかっていました。

薬を服用しても症状は改善せず、根本から立て直す方法を求めて、当院にご来院くださいました。

初回来院時のお悩み

① 強い不安や気分の落ち込みが日常的に続き、「どうにか対処したい」と感じていらっしゃいました。

② 胃のむかつきがあり、少しでも心拍数が上がると過呼吸の記憶がよみがえり、そのたびに強い恐怖感にかられていました。

③ その不安や恐怖は日常生活にも影響し、仕事に集中できず、業務に支障が出ることが増えていました。

④ 仕事のことを考えると夜に眠れなくなっていました。朝まで眠れない日が続き、体調がさらに悪化していました。

このような状態を改善したいという思いから、当院にご相談くださいました。

初回来院時の心身の評価

① 強い不安感と睡眠不足が続き、心身の疲労が大きく蓄積していました。疲労感が抜けず、精神的にも体力的にも負担がかかっている状態でした。

② 東洋医学の観点からみると、この方は「陰虚タイプ」の傾向がみられる状態でした。陰虚とは、ストレスや過労によって体をうるおす力が不足し、心身のバランスを崩しやすい状態を指します。そのため、疲れやすく、回復にも時間がかかりやすい傾向があります。

鍼灸施術の経過

施術目的

この方は、仕事の負担が重なり、心身に大きな緊張を抱えていらっしゃいました。施術では「仕事だけでなく、自分や家族も大切にできるバランス」を取り戻すことを目標にしました。

重点は次の3点です。
・発作への恐怖を和らげるために、発作を無理に抑え込まず、自然な反応として受け止める考え方を育む
・「不安が起こるのではないか」という予期不安への対処法を整理する
・緊張や不安が高まったときに、自分で落ち着ける手順を身につける

鍼灸施術で自律神経のバランスを整えるサポートを行いながら、心理的アプローチも取り入れ、日常生活で安心して過ごせる状態を少しずつ築いていくことを目的としました。

施術内容

① 「自律神経のバランスを整え、胃腸の働きをサポートする」鍼灸施術
不安感や緊張を和らげ、落ち着きを取り戻しやすくすることを目的に鍼灸を行いました。また、胃の不快感が予期不安と結びついていたため、胃腸の状態を整える施術もあわせて行い、心身の負担を軽減していきました。

② 価値観の見直しと「発作を受け止める」カウンセリング
パニック発作に対する過度な恐れを和らげるため、思考や感情との向き合い方を一緒に整理しました。あわせて、「仕事一辺倒」ではなく、自分や家族も大切にできる新しい価値観を築くサポートを行いました。
※「受け止める」は、無理に抑え込まず、安全にやり過ごすための捉え方を育む意図です。

③ 「不安を和らげる」セルフケア指導
日常生活の中で実践できる呼吸法やリラックス法など、緊張や不安を感じたときにご自身で落ち着けるセルフケアをお伝えしました。ご自宅でも継続できるようにサポートし、安心して日常生活を過ごせるよう支援しました。

1~5回目(週1回の来院) 

みぞおちの不快感や下痢が軽減し、眠れる日が増えてきました。その結果、「また症状が起こるのではないか」という予期不安も、少しずつ和らいできています。

一方で、不安感や動悸、気分の落ち込みはまだ続いています。回復の途中では症状の波が出ることもあるため、今後も状態に合わせて施術を継続し、さらに整えていくことを目指します。

また、仕事のことを考えすぎないよう意識し、家族との会話の時間を増やすなど、生活面にも前向きな変化が見られています。

6~10回(週1回の来院)  

動悸はほとんど出なくなり、身体面での変化が分かりやすく見られるようになってきました。時折みぞおちの不快感を感じることはあるものの、不安感に強く振り回されることなく、心身の安定を保てています。

また、過呼吸が起こらない日が続くようになったことは、大きな変化です。休日にはご家族と遠出を楽しめるようになり、心身の回復にも良い影響が出ていると感じられています。

「不安感に慣れてきました。以前は発作が起こると自分はダメなんだと思っていましたが、今は違います」とのお言葉もあり、受け止め方や考え方にも変化が見られています。

このように、身体面の変化とともに心の持ち方も整い、生活の質が向上してきたご様子でした。

11~12回(月2回の来院) 

多少の不安を感じることはあっても、発作のような強い症状はこのところ出ていません。夜も眠れる日が増え、以前のように夜中に外へ出てしまうこともなくなってきました。

以前は少しでも不安を感じると「どうしよう…」と落ち着かない状態に陥っていましたが、現在は「まあ、いいか」と受け止められる場面が増え、不安を引きずらずに過ごせるようになってきています。

この変化は、発作への恐怖と適切に距離を取り、感情が高ぶったときにも落ち着きを取り戻す方法が身についてきたことを示しています。

現在

その後はメンテナンスのため、月1回ほどのペースでご来院されています。

「考え方が変わり、仕事とプライベートを切り替えられるようになった」とお話しされており、価値観の変化が日常にも反映され、ワークライフバランスを保てるようになってきています。

当院では、このように症状への対応だけでなく、心身の安定と生活の質をより良くしていくことを目標に、サポートを続けています。

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