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鍼灸施術例

完璧主義による自律神経失調症(不眠・頭痛・胃腸障害)の施術例

完璧主義による自律神経失調症(不眠・頭痛・胃腸障害)

50代 女性 宗像市

来院までの経緯

3カ月前から不眠がひどくなり、めまい、頭痛も加わりました。病院では「自律神経失調症」と言われ、薬を服用していました。

満足に眠れない日が続くうちに「眠れなかったらどうしよう」という睡眠への恐怖を感じるようになり、それに伴って自律神経症状も強まっていきました。

さらに「胃が痛く、何を食べてもおいしく感じない」といった胃腸の不調も出てきました。

仕事や家事に加え、義母の介護、孫の世話、近所の高齢者の世話などを抱えていました。少しでもできないことがあると「なんでこんなに要領が悪いんだろう」と自分を責めてしまう状態でした。

仕事に支障が出ることを避けるため、毎日睡眠薬と鎮痛剤を飲み続けていましたが、「できるだけ薬に頼らず整えたい」と感じ、「東洋医学の鍼灸を受けたい」と当院にご来院くださいました。

初回来院時のお悩み

・薬を飲まなくても眠れるようになりたい
薬に頼って眠ることへの不安が強く、できるだけ自然な睡眠を取り戻したいという思いがありました。

・周りに迷惑をかけたくない
体調不良によって周囲に迷惑をかけることを強く恐れていました。

初回来院時の心身の評価

・社会規範に縛られた「べき思考(認知の歪み)」が強い
「妻だから家事を完璧にこなさなければならない」「嫁だから義母の世話をするのは当然」など、役割に基づく**〜すべき**が強く、しんどくても気持ちを押し殺して周囲の期待に応えようとしていました。その結果、「つらい」という本来の感情に気づきにくく、疲れ切っていました。

・睡眠に対する強い恐怖と執着
眠れない不安から睡眠に執着し、「夜が来ること」自体に恐怖を感じていました。

・他人からの評価が気になる
過剰に自分を責め、他人の評価を気にし続けることで緊張が高まり、不安や身体症状を強めていました。

・東洋医学の体質:気滞タイプ
東洋医学的には「気滞タイプ」の傾向がみられ、気の巡りが滞りやすく、緊張・ストレスが胸腹部のつかえや胃腸の不調として出やすい状態でした。

鍼灸施術の経過

施術目的

「妻だから」「嫁だから」という立場で物事を捉えると、社会規範に縛られたべき思考が強まり、「完璧にしなければならない」というプレッシャーで自分を追い込みやすくなります。この状態が続くと、緊張と不安が高まり、自律神経のバランスを崩しやすくなります。

そこで、以下を重点に取り組みました。

・睡眠への恐怖と執着を和らげ、夜を「怖い時間」にしない

・「立場」よりも「自分の気持ち」を優先する練習

・必要な時は人に頼る

・うまくいかない時に自分を責めすぎない

・他人の評価より、自分のペースを基準にする

施術内容

① 自律神経と女性ホルモンのバランスに配慮した鍼灸施術を行いました。
② 自分を苦しめる「べき思考(認知の歪み)」を見直すカウンセリングを行いました。
③ 眠りを妨げる習慣や緊張を整えるセルフケア(生活面の工夫)をお伝えしました。

1~5回目(週1回の来院) 

途中で起きることなく眠れる日が出てきました。

胃がすぐに膨れる感じはあるものの、以前より「何か食べたい」と思える場面が増えてきました。

睡眠薬は仕事の前日だけにするなど、使用頻度が少しずつ減ってきました。

頭痛が出た際も、鎮痛剤に頼る頻度が減ってきました。心身の緊張が和らぎやすくなり、症状が強まりにくい日が増えているご様子でした。

6~9回(週1回の来院)  

心身の状態は落ち着きが出てきましたが、身近な方の不幸があり、不眠が再度悪化しました。

また、おさまっていためまいも再発し、「夜が怖い」という思いが強くなってきました。そのため、心身の緊張を和らげる施術を厚めにし、睡眠への恐怖が強まらないよう支援しました。

それでも、疲れている時には「夫や娘に頼ってもいいかな」と思えるようになり、少しずつ頼り方が変わり始めました。

「最近は、周りからどう思われるかではなく、自分がどうしたいかを一番に考えるようにしている」とのお話もありました。

10~13回(週1回の来院) 

睡眠薬に頼らずに眠れる日が増えてきました。

寝つきの悪い日もあるものの、「こんな日もある」と受け止められるようになり、睡眠に対する恐怖や過剰な不安が和らいできました。

胃腸の調子も整い、友達とランチを楽しめるようになりました。

以前は頼まれた仕事を全て引き受けていましたが、今では「自分がやらなければならない」と決めつけず、無理な場合は断ったり他の人にお願いしたりできるようになってきました。
この変化は、社会規範に縛られた「べき思考」がゆるみ、捉え方の幅が増えてきたことを示しています。

また、「1日の中で睡眠について考えることは少なくなってきた」とのことでした。

「思った通りにできなくても、もう年だし、若いころのように動けなくても仕方ないよね」と考えられるようになった、というお話もありました。

現在

メンテナンスとして、月に1回のペースでご来院されています。

「嫁だからではなくて、お義母さんのことが好きなのでお世話をしている」とおっしゃいました。

以前のように「自分がやらなければならない」というプレッシャーから距離が取れ、義務感ではなく、自分の気持ちに基づいて行動できるようになってきたご様子でした。

※服薬の調整は主治医と相談しながら進めることが大切です。
※経過には個人差があります。

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